【最近常々想うこと|住宅業界の不思議】

代表の鈴木です。

最近常々思うことを記録の意味をこめてブログに書いておこうかと思います。
少し長いので、2回に分けて書くことにします。

住宅業界の不思議

住宅業界に身を置いて25年が経ちました。長いのか短いのかはともかく、25年間この業界に接してもまだ、非常に不思議な世界だと感じてます。

一般の人から見て、この業界はどのように写っているのでしょうか?注文住宅にしろ建売やマンションにしろ、お金を払って手に入れることに変わりなく、そういった意味では一つの「商品」というカテゴリーなのかもしれません。この業界では家を「商品」と呼ぶことに抵抗をもつ人たちが少なからずおりますが、(私もそんな一人ですが…笑)今はその話ではありません。

ここでは一般の人の目線であえて家を「商品」と表現します。そう、車や家電や洋服と同じ「商品」です。

家づくり、あるいは家の購入を「高い買い物だから!」と比喩されることからも、「家=商品」も間違った解釈ではなさそうです。

前置きが長くなりました・・・が、本題に入る前に、同じく高額商品である車と比較して話を進めてみたいと思います。

自動車産業と住宅産業

ガソリンエンジン車として初めて量産された車は、1907年の「フォード・T型」と言われています。今から約110年前ということになります。

あえてたった110年と言わせていただきますが、この110年の間、車はものすごい進化を遂げています。もうガソリンエンジンの進化は行き着くとこまで行き着き、ハイブリッドの時代が来たかと思えば、もうすぐEVの時代に移ろうとしています。

エンジンだけではなくデザインやテクノロジーの進化もそうですが、安全性の向上は目を見張るものがあります。自動ブレーキなんて誰が望んだのでしょうか?自動運転なんて遠い未来の乗り物じゃなかったのか!車は消費者の声とともに成長する以上に、エンジニアの熱い想いが優って成長している産業だと思います。

さて、家はどうでしょう。

家の歴史はそれこそ車が誕生する遙昔から存在し、人の数、家族の数だけ存在してきました。歴史も数も車の比ではありません。
長い歴史の中で、大地震や大火災、大型台風や大津波など幾多の自然災害も受けてきました。その都度、家づくりも進化してきています。
しかし、その進化の度合いが遅すぎやしないか!?
車や家電、IT、それこそあらゆる業界の中で、家づくり(住宅業界)の進化はあまりに遅いと感じています。

何故だろう!?というのが今回のブログのテーマです。

あくまでも私見ですが、いくつか理由は頭に浮かんでいます。

家は動かない!不動産には興味が続かない!?

まず第一に「家は動かない」という事実です。不動産とも表現されますからね(笑
車も家電もITだって、お金だって動くものです。我々人間が使うもの、あるいは携帯するものはより軽く、より早く、より便利で、より美しく、より価値を持って・・・などなど日々新しいニーズや欲求が生まれくるので、進化が早い!
しかし土地や家は動かないし携帯するものでは無いから、家に対する日常の探究心が気薄になる。持ち歩いたりするものではなく、家に対して軽いや早いや便利などを求める対象ではない。一度建ててしまえば、もう一生無関心でもいられる。
そんな対象が家なのかもしれません。
少々極端に表現してますが、最大公約数的にはあながち間違った解釈ではないような気がします。

工業化が進まない住宅産業

もう一つの理由として、家という「商品」の工業化が進まないという現実があるかと思います。
同じ家が2つと無い日本の住環境では、工業化など意味がありません。もちろん材木の加工や、家のパーツはどんどん工業化が進んでいるのは事実です。しかし、何を選んで、何を使うか、そしてそれを組み上げて家という完成形にするのは昔も今も人の手です。
パーツを供給している会社は超大手企業が多いですが、そのパーツを選び、組み上げて家という完成品に仕上げているのは、多くが零細企業の工務店なんです。
こんな産業が他にあるでしょうか?
要するに家づくりに関わる「人」の能力に大きく左右される業界なのです。

進まないグローバル化

また量産が効かず、市場がほとんど国内に限られていることも理由の一つではないでしょうか?
輸入品のパーツはたくさん存在しているし、輸入住宅なんてものも存在してますが、家を輸出するなんて聞いたことありませんね。
市場競争の範囲が極端に狭く、県や地域単位で独自の建築文化が全国無数に存在しています。そしてその建築に携わる人の数だけ様々な考え方や作り方が散在しているのです。ゆえに、統一の優れた技術や施工精度が蓄積されにくい業種とも言えます。
まだまだ考えられる理由はありますが、この住宅業界は他の産業と比べて非常に特異な性質を持った産業と言えるでしょう。

ではそれで何が悪い!?と外野の声が聞こえてきそうですが、この特異な産業がもたらしている弊害を次回のブログで紹介していきたいと思います。

それでは次回も懲りずにお付き合いください!笑
ではまた!

2017年10月14日

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