以前のブログでは、自然素材とメンテナンスの関係にフォーカスしてみましたが、今回は自然素材の魅力についてまとめてみたいと思います。
そもそも自然素材とは何でしょうか!?
それは簡単に言えば「人工的な化学物質を使わない素材」のことを言います。では住宅で使われる自然素材(天然素材)室内編としていったい何があるのでしょうか?
室内に使われる代表的な自然素材
- 無垢のフロアー(床材)
- 漆喰や珪藻土に代表される塗壁材(壁・天井仕上げ材)
- 無垢の造作材(窓枠や和室造作材)
どれも長い歴史があり、今でも非常に入手しやすいものばかりです。
しかし今では工業製品=新建材が主流となり、これら自然素材はすっかり「特別な物」という存在になってしまいました。
自然素材のメリット
あらためて自然素材のメリットは何でしょうか!?
一般的に言われているメリットと、私が今まで経験し感じているメリットを部位別に書き出してみます。
無垢フロアー(床材)について
- 足裏に温かみを感じる。(実際に温かい!)
- 不均一な色合いや柄が視覚的に心地良さを感じさせる。
- 摩耗に強い。
- 傷や汚れや埃が目立ちにくい。
- 傷やヘコミの補修が楽。
- 耐久性が高く長く使える。
- メンテナンスが効く。
ここで「あれっ!?」と思われるかもしれません。
ほとんどの人は「無垢フロアーはメンテナンスが大変!」と聞かされてきたはずです。
私もハウスメーカーに在籍していた頃はこのように教わりました。
しかし、あるきっかけで無垢フロアーの魅力を知り、その後100棟以上の建物で採用してきましたが、目立った不具合は聞きません。
無垢フロアーの特性を理解した上で正しい施工をすれば、生活に支障が出るような不具合や気になるような不具合はかなりの確率で防ぐことができます。
また、「傷や凹みの補修が楽」というのも皆様があまり知らない事実です。
傷や凹みの種類にもよりますが、擦り傷のような浅い傷であれば、自然オイルを塗ればかなり目立たなくなります。
凹みに関しては、凹んだ部分にたっぷり水かぬるま湯で湿らせたティッシュを置いておけば1日で元に戻ることも多々あります。
そもそも不均一な色や柄のせいで傷や埃も目立ちにくいというのも利点の1つかもしれません。
新建材の合板フロアーではこのような方法で補修することは不可能です。高額な補修専門業者に頼ることになります。
漆喰や珪藻土に代表される塗り壁
- 調湿作用が期待できる。
- 日差しや照明の明かりが壁や天井に当たっても跳ね返らず、柔らかな明るさになる。
- 材料の継ぎ目がないので仕上がりが自然。
塗り壁も、ひび割れのリスクを引き合いに現場では嫌われる傾向にあります。
確かにビニルクロスと比べると伸縮性はありませんのでひび割れのリスクは高まります。
しかし、経験上ひび割れの発生数はなぜかクロスの方が多い気がします。理由はよくわかりませんが…
塗りの対象となる天井や壁はその面積が部屋の空間に対しかなり広い面積を占めていますので、効果が顕著に現れます。
また、将来リフォーム時においては既存の塗り壁の上にそのまま重ねて施工できるので、ビニルクロスの張替えように剥がす必要がないことも、エコな素材(建材)と言えるでしょう。
無垢フロアーと塗り壁、これだけでも空間のほとんどの面積を占めますので、この2つの自然素材を使えば、ほぼ自然素材に包まれた空間を得ることになります。
造作材や建具に自然素材を使う選択肢
造作材は主に窓枠や和室周りの材料ですが、特に窓枠は自然素材の無垢材を使うメリットは大きいです。
窓枠は外部と非常に近い場所に存在し、時には雨水にさらされることもありますが、保護塗料がされていれば、長く良い状態を保ちことができます。
これが流行りの新建材のように木目シートが貼ってある材料だとそのうち剥がれたり色が褪せたりしてきます。
そうなると補修は難しいのです。
和室の造作材もそうですが、無垢材は削ったり再塗装をしたりして、長く使っていくことができるのが最大のメリットです。
新建材の木目シートの補修は専門業者でないとできませんが、無垢の造作材はお施主様がDIY感覚で削ったり再塗装したりすることも可能です。
結果、メンテナンスがしやすい材料と言えるでしょう。
最後に建具についてですが、建具は、なかなか自然素材で統一するのは難しいですが建具屋が作る造作建具と、既製品の違いは大きいです。
そこで、建具屋が作る造作建具と、既製品の建具の違いをお話しします。
現状新築住宅は建具については、ほとんど既製品(メーカー品)の建具が使われています。
その理由はまず第一に価格の問題があります。また建具屋さんという業態がどんどん減少しているのも原因だと思います。
建具に関してはそのデザインや価格のバランスを考えると圧倒的に既製品(メーカー品)に分があります。
建具屋さんで造作建具を作るメリット
それでは、わざわざ建具屋さんで作るメリットは何でしょうか?
それはやはりメンテナンス性にあります。既製品(メーカー品)は年単位でモデルチェンジを行うため、例えば10年くらい経って、丁番や取手などの部品、或いは建具本体を新しく交換したくてもまず手に入りません。
結局その時に手に入る商品で代用しなければならないのですが、枠が合わなければ枠ごと交換しなければならず、そうなると一部壁や天井も壊さなければなりません。
大ごとですよね!仮に建てて数年でその建材メーカーが倒産してしまえば、どうしようもありません。
ところが建具屋さんで作った造作建具であれば、何年経ってもメンテナンスが効きます。
建て付けが悪くなれば建具本体を削ったり、丁番をいじったりして直すことができますし、新しい建具に交換するときもそっくりなデザインで作り直すことが可能です。
まして枠を交換しなければならないなんてことはありません。
そして一番のメリットは、建てた時の建具屋さんがたとえ倒産や廃業しても、全く別の建具屋さんで十分メンテナンス対応が可能という点です。
このように「長く使う」という観点から見ると、建具屋さんで作る造作建具を選択する価値はあるのです。
自然素材(天然素材)のメリットをあげてきましたが、特にメンテナンス性の良さが際立っていることをご理解いただけたでしょうか。
イニシャルコストはかかりますが、もっと長いスパンでのトータルコスト(生涯コスト)で考えると自然素材(天然素材)はとても賢い選択です。
自然素材のデメリットとは
自然素材についても少し触れておきます。
まず、イニシャルコストが新建材と比べてかかります。(ただし無垢の床材についてはその差も縮まってきました)
そして特に塗り壁の場合、小さなお子様や元気いっぱいのペットがいるご家庭だと普段のお手入れが大変かもしれません。
それはビニルクロスのように気軽に濡れ雑巾で拭くようなことができないからです。
ビニルクロスに比べると非常にデリケートな仕上げ材と言えます。
でも実はデメリットはこのくらいです。
住まい手にって利益のある選択を!
家を建てるお施主様の多くの方は、将来メンテナンスのかからない或いはなるべく手入れの楽な家を望みます。
現在多くの住まいに使われている新建材と言われる類の建材は「メンテナンスフリー」と言われているものも多く存在しております。
また「メンテナンスが楽」という表現がカタログに記載されていいるケースも多々あります。
ただし何年それが持続されるのかは書いてありません。
既製品(メーカー品)の保証期間は1年です。
自然素材も同じく保証期間は1年ですが、保証期間を過ぎたその後を考えるとどちらが住まい手にとって利益のある選択なのか!?をよく考えて自然素材か新建材かの選択をする必要があると言えるでしょう。
次回は「自然素材の魅力を考える〜外装編〜」についてまとめていきたいと思います。
それではまた。
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