代表の鈴木です。
練馬区で進行中のSE構法の新築現場。先日上棟を迎え着々と工事が進んでおります。
今まで現場の進行に合わせ、SE構法の基礎と金物についてその特徴をご紹介してきました。
今回はSE構法の最大の見せ場である構造についてお話していきたいと思います。
SE構法の強さの秘密をお伝えします。
SE構法の魅力
SE構法とは「Safety Engineering = 工学的に安全な構法」で全棟構造計算(許容応力度計算)されているのが特徴です。建ててしまえばその大半は見えない、隠れてしまう部分に様々なノウハウがつぎ込まれています。
が、しかし何よりも見て感じる部分で、他の構造とは圧倒的に違うものがあります。
圧倒的な存在感
それはまず、『柱が太い、梁が太い』と感じることです。
通常の木造軸組構法の大半は断面3.5寸(105mm角)の柱、2×4(ツーバイ・フォー)工法は断面38×89mmの骨組みで構成されていますが、SE構法は4寸(120mm角)の柱で計画されます。
数字だけ見てもイメージし難いですが、実際に目にして比べてみればその違いを体感できます。
柱の太さや梁の太さから感じる「安心感」が得られるのもSE構法の大きな特徴です。
気持ちいい大空間
そして、この柱や梁で構成される『大空間』が気持ちいい!
一般的な在来軸組工法や2×4工法ではここまでの大空間は難しいですが、SE構法では「安全性」をきちんと担保した上で、このような空間が実現できます。
SE専用金物
このような空間を実現するために『極太の柱や梁』と、それらを接合させるSE専用金物が一役買っています。
実はこの世には「金物工法(俗に言うピン工法)」と言われる在来軸組工法の進化版はたくさん存在しています。
「SE構法と何が違うのだろう?」一般の方が見ただけではわかりにくいかもしれません。
その違いはまず金物の厚みと大きさ。4寸柱専用に開発されたSE専用金物は、通常3.5寸仕様で開発されている金物工法(ピン工法)の金物よりも大きく、また金物の肉厚も重量鉄骨と同じ6mmあります。
通常の倍あるんです。
そのため、サビによる耐久耐用年数も実験値で168年という「モノの違い」を実現しています。
またその金物が絶対に緩まないようにSE構法では『Sボルト』という特殊なボルトを全棟標準で採用されています。
このSボルトの引抜き耐力は通常のボルトの実に2倍近い耐力を有しています。
この「極太の柱、梁」とその柱と梁を接合する「SE専用金物」があってこそ、SE構法が『木造ラーメン構法』と比喩される所以です。
金物だけではないSE構法の強さへのこだわり
それは耐力壁を構成する『構造用合板』とそれを留める『釘』へのこだわりです。
SE構法の耐力壁は『JAS特類1級構造用合板』が指定されています。
最近の木造住宅は筋交いの代わりに面材耐力壁を計画するケースが増えてきていますが、通常は2級構造用合板が使われています。
1級と2級の違いは、『強度の保証』にあります。
1級合板は長方形の合板に対して、長手方向と短手方向のそれぞれに関する曲げ剛性試験・曲げ強度試験に加え、面内せん断試験が義務付けられています。
2級合板は、長手方向の曲げ剛性試験のみとなっています。
そして最後にこの「JAS特類1級構造用合板」を留め付ける「釘」の話。
釘にもいくつか種類がありますが、SE構法では『CN釘』が指定されています。
通常の『N釘』と比較して、少し太めの釘で、せん断力が優れています。
このように細部に渡り性能と信頼性の高い部材や金物を使うことによって、正確な構造計算が可能となり、耐震性と高いデザイン性が両立できるのです。
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2018.06.01
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