代表の鈴木です。
またまた構造計算ネタですが(笑
構造計算(許容応力度計算)を実施し、その計算通りの構造計画で施工された建物は、確かな耐震性が担保されます!というのが今までの話です。
構造計算が日常にもたらすメリット
建物の耐震性は非常に重要ですが、そもそも巨大地震が来ない多くの日常において、構造計算された建物は住む方にどのようなメリットをもたらすのでしょうか?
このことに言及されている方はほとんどいらっしゃらないと思います。
しかし、私は気づいてしまいました!
それは【構造計算された建物は動きが極めて少ない】ということです。
「はぁ!?」という反応、よくわかります(笑
ここで言う「建物の動き」とは、建物の骨組みを構成している構造材や木の下地材などが乾燥、収縮を伴ってわずかに動く木造特有の現象や、前面道路を大型の車両が通行する場合に生じる微振動、また台風のような暴風時に建物に生じる人が感じないレベルの動きなどのことで、実は建物は地震以外でも日常的に動いています。
もちろんどの現象も構造安全性には全く影響ありませんし、心配するレベルではありません。
しかしながらこの建物の動きは内装の仕上げ材に少々やっかいな現象を引き起こします。
【SE構法 強さの秘密!〜番外編〜】
建物の動きがもたらす厄介なこと
- 「新築時には綺麗に貼られていたビニルクロスが部屋の角でシワが寄ってきた」
- 「天井のクロスが横に引きちぎられたようになった」
- 「窓の角の部分のクロスが裂けたようになった」
等々
これらそのほとんどが建物の動きに起因する現象です。
決して内装業者の腕が悪かったわけではありません。
また不思議なもんで、どの建物でも起こる現象でもなく、施工業者(大工)によって偏る現象でもなく、内装業者によって偏る現象でもありません。
では「なぜ建物によってこのような現象が起こったり起こらなかったりするのだろう!?」と考えた時にある傾向がつかめてきました。
構造計算が内装仕上げ材を守る!?
それは、「構造計算(許容応力度計算)」された建物とそうでない建物とで、内装仕上げ材のトラブルの有無がリンクしていると言うことです。
ここで少し構造計算の話をしますが、構造計算はまず目標設定が必要です。
目標(ゴール)を設定してそのゴールに向かって計算を進めていく必要があります。
ではゴールとすべき目標設定は何でしょうか?
それは「耐震等級3」です。
現在「耐震等級3」を導き出す方法は2種類あり、簡易な構造計算によって導き出す方法と、許容応力度計算(ルート1/ルート2)をもって導き出す方法です。
当然、許容応力度計算(ルート1/ルート2)の方が詳細な検討がされるので精度が高いです。
もう一度話を戻すと、構造計算(許容応力度計算)によって導かれた「耐震等級3」の建物は確かな耐震性が担保されるだけでなく、日常においても建物の動きを最小限に抑えることができ内装仕上げ材もいつまでもいい状態に保つことができるのではないか!?と考える今日この頃です。
それではまた。
2018.11.10
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