誰も教えてくれない!フローリングの選び方について解説

代表の鈴木です。

今日は床材の選び方について解説していきたいと思います。

その昔、日本の住宅の床は、畳や板の間、土間が中心の文化だったことは、その時代に生きていない人でも理解できるかと思います。
そういう自分ももちろんそうです。

戦後、日本が欧米化に加速していく過程で、住宅そのものも大きく変化してきました。

その中で住宅の床材も変化してきた歴史があります。

現在は、床材において圧倒的な割合で計画されているのはご存知フローリングと称される木の床材です。

フローリングの選び方の解説画像

フローリングの選び方を解説

単(ひとえ)にフローリングと言ってもさらに4つの種類に細分化されております。

  • 無垢フローリング
  • 挽き板フローリング
  • 突き板フローリング
  • シートフローリング

この4種類が主に販売されているフローリングです。

価格的にもこの順番で、無垢フローリングは高級でシートフローリングは一般的、或いはローコストなものと認識されていると思います。

注文住宅を計画される方は、「できれば無垢フローリングを採用したい!」という方が多いのではないでしょうか?

床材の中でも無垢フローリングは、憧れの存在である事は今も昔も変わりません。

本当に無垢フローリングは憧れに値する床材なのか!?

他のフローリングの魅力は薄いのか!?

あらためて各フローリング材の特徴をまとめて解説していきたいと思います。

無垢フローリング

無垢フローリングは厚みが15mmをベースに、12mmから30mmくらいまでの床材が普及しています。

そして樹種としては針葉樹と広葉樹の無垢フローリングが存在します。

針葉樹は軽くて柔らかい特徴があり、広葉樹は重くて硬いという特徴があります。

軽くて柔らかい針葉樹の無垢フローリングは代表的なものとして、パイン材、ヒノキ材、杉材などがあります。

硬くて重い広葉樹の代表的なフローリングは、オーク材、バーチ材、チーク材、ウォールナット材、カリン材など種類も豊富で、主に外材と言われる外国産の樹種が多い傾向にあります。

それぞれ、針葉樹の無垢フローリングは地方や郊外のエリアでの採用率が高く、逆に都心部では広葉樹の無垢フローリングの採用率が高い傾向にあるように感じています。

その理由として、都市部にお住まいの方はよりメンテナンスに対する意識が強く、「無垢フローリングは採用したいけれど普段の清掃性やメンテナンスが面倒なのは避けたい!」という理由から、硬くて傷のつきにくい広葉樹の無垢フローリングが好まれるのだと思います。

住宅に使用される建材において、天然素材の代表格とされる人気の無垢フローリングですが、選び方についての注意点もお伝えしておきたいと思います。

無垢フローリング選びの注意点

見た目やイメージだけでなく、無垢材が持つ暖かさや心地よい肌触りや香りを期待するならば、針葉樹の無垢フローリングを選択するべきです。

この特性は広葉樹の無垢フローリングではなかなか感じることができません。

先にも話しましたが、広葉樹の特徴である重くて硬いという特性がこの感覚を鈍らせます。

また、好みの色合いにおいても針葉樹と広葉樹の違いがあります。

「明るい雰囲気が好き!」というならば針葉樹の無垢フローリングでも広葉樹の無垢フローリングでも多くの選択肢があります。

しかし濃くて重厚な雰囲気を希望するのならば、たいていは広葉樹の無垢フローリングの選択になります。

そして価格も一般的には色が濃い広葉樹の無垢フローリングの方が高価であることが一般的です。

無垢フローリングのメンテナンス性

最後に無垢フローリングのメンテナンス性について解説しておきます。

無垢材=本物(天然素材)ですから確かに質感は高いし実際に新しい家に入居した時の満足感もとても高いと思います。

ただし皆さんが気になっているメンテナンスについては、他の床材と比べて決して楽ではありません。

やはり天然木である以上、水には弱いのでキッチンやダイニング周りは、よほど神経を使って掃除をする習慣がないと変色や水シミがつくことは覚悟しておかなければならないことはお伝えしておきます。

数多くのご入居者のお宅を見てきて感じていることです。

ただし無垢フローリングの塗装にこだわることでメンテナンス頻度を減らせることもあります。

無垢フローリングには、「無塗装品、オイル塗装品、ウレタン塗装品、ガラス系保護塗料品」などがあり、ウレタン塗装やガラス系塗料が施された無垢フローリングは、水シミ系には多少強い性質を持っています。

ただ、この種の塗料は無垢フローリングの表面に幕を張る性質の物なのでやや人工的な風合いになってしまう事が残念なのと、オイル塗装品と比べると価格も高めなのであまり好まれておりません。

また、よく無垢フローリングは表面を研磨することでまた新品のように蘇らせると言われますが、はたして現実的なのかは疑問が残ります。

表面を研磨し再塗装することで長く使い続けられる事は確かで、床を貼り替えることを考えると経済的でエコだという意見もあります。

しかし実際はどうでしょうか⁉︎

何年も住んだ家の中を全て片付け床面を露わにし、業者による研磨、塗装をするとなるとかなりの大工事になりますし塗装が乾くまで歩くこともできません。

このよく言われている無垢フローリング唯一のメンテナンス優位性も、見方を変えれば誰にでも当てはまることではない事は認識しておくべきです。

また無垢フローリングは、自然素材特有の伸び縮みがあり扱いが大変だという意見もあります。

特にハウスメーカーはクレームになり得る要素は極力排除する傾向があり、無垢フローリングを積極的に勧めることはしません。

私も大手ハウスメーカーには12年ほど在籍しておりましたのでその傾向はよく分かっています。

しかしハウスメーカーを飛び出し工務店の世界に飛び込んで15年以上、その間相当数の無垢フローリングを施工してきましたが、無垢フローリングの伸縮に関するクレームは一度も経験しておりません。

正しく施工すれば、無垢フローリングの伸縮はデメリットにはならないというのが私の見解です。

挽き板、突き板フローリング

こちらも近年バリエーションが非常に増えてきた商品です。

厚みは12ミリの商品がほとんどで、表面に0.2ミリくらいから4ミリくらいの厚さで本物の天然木が貼られています。

天然木の厚みが3ミリ以上あると「挽き板フローリング」という表現になり、それ以下だと「突き板フローリング」と呼ばれているようです。

明確な定義があるわけではないのでここでは一緒に扱って解説していきます。

見た目や質感は無垢フローリングと近いのですが、基材と呼ばれるその下の部分は合板が層になって重ね合わせてあり、寸法安定性と床の強度を確保しています。

床暖房に対応している商品も多く、より伸縮に強い特性を持たしてあります。

表面の塗装に関しても無垢フローリングの塗装と違い、工業製品らしく無垢の風合いを消すことなく様々な特性を考慮した塗装となっており、今は多くの建材メーカーから豊富な商品が出ております。

メンテナンスにそれほど気を使うこともなく天然木の風合いも感じることができるため、今一番選びやすいフローリングの一つだと思います。

メーカーの商品のため価格も安定しており、無垢フローリングのように樹種や色合いの違いによる価格のバラツキも少ないのが特徴です。

シートフローリング

最後にシートフローリングについてです。

数年前までは、まさにフローリングと言えばシートフローリングが主流でした。

シートフローリングとは木目柄のプリント材が基材に貼られたもので、無垢の天然素材とは対極にあるフローリングです。

工業製品なので低価格、安定供給、色柄バリエーションの豊富さで今なおフローリング材の主流ともいえる存在となっております。

昨今シートフローリングはなかなかの出来栄えで、見た目では本物の無垢フローリングそっくりの出来栄えになっています。

もちろん無垢フローリングや突き板、挽き板のフローリングと並べて比べてしまうとやはり人工的だと感じてしまうのは避けられないのは事実です。

特に違うのは歩行感で、裸足で歩くとシートフローリングはペタペタと足裏がフローリングに吸い付く感じがあり、あまり気持ちの良いものではありません。

傷のつきにくさや清掃性にはとても優れていますが、建売住宅やマンションを購入するならば気にならないけど、せっかく注文住宅を建てるならば、少々残念な選択に感じるのも正直なところかもしれません。

シートフローリングが最適な場所

ただし、家の中にはシートフローリングが最適な空間が存在します。

それはトイレ空間や洗面脱衣所などの、いわゆる水周りと言われる空間の床です。

水回りに最適なフローリングはシートフローリングの独壇場で、水回り専用のシートフローリングは耐水性や耐アンモニア性が強化されているのが特徴です。

柄もシートゆえに木目だけではなくリアルな石目柄もあるので、他の部屋でも大理石や石のフロアーが好みの方にもおすすめです。

もちろん本物の大理石や石とは質感は異なりますが、価格は遥かに安いので予算が叶わない人は選択の余地ありです。

石やタイル柄のフローリングはフェイクと捕らえられ、「そんなフローリングは嫌だ!」という方も多くいらっしゃいます。

弊社でもリビングやキッチンを中心に本物の石やタイルが計画された建物を何棟も施工しておりますが、竣工現場の最後の仕上げで一日作業していると足や膝の疲労度が木のフローリングと比べて各段に違うという体験を身に染みて感じております。

本物の石やタイルのように硬い床は足腰の負担が想像以上に大きいという事は頭に入れておいて下さい。

海外の住宅には昔から石やタイルの床材が多く存在していますが、室内でも靴を履く文化が主流の海外と日本のように室内では素足でいることが当たり前の文化ではそもそも床選びも違ってくるはずと思うのですがいかがでしょうか。

またペット対応フローリングもシートフローリングでは多くの種類が出ていますので、昨今犬や猫などのペット同居の家庭が増えていることを考えると改めて見直されてもいいフローリングだと思います。

基本的に今のシートフローリングはワックスフリーなのでメンテナンスも多くのフローリングの中では非常に楽な部類です。

まとめ

このように単に憧れやイメージだけでフローリングの種類を求めるのではなく、住まい方や家族構成、ペットの有無などを考慮して適材適所で種類を決めてフローリングは選ぶべきだと思うのです。

よく他社との差別化を理由に何でもかんでも無垢フローリングを勧める会社がありますが、差別化は会社都合の考え方で、お客様の住まい方や家族構成を考慮した提案とは事離れていることが多々あります。

無垢と言えばお客様も喜ぶと思い安易に無垢フローリングを勧めるのは、結局はお客様のためになっていないこともあることを施工会社も認識すべきだと思います。

以上、フローリングの選び方について解説してきましたが、みなさまのフローリング選びに少しでも参考になれば幸いです。

それではまた。

2020.11.29

関連記事:【無垢の床材(フローリング)の選び方を解説】

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