「地球上どこへでも行き、生きて帰ってこれるクルマ」
このフレーズを聞いてピンときた方は、かなりの車好きですね!
そうトヨタのランドクルーザーこと「ランクル」に与えられたキャッチフレーズです。
1951年に登場した初代からおよそ70年という歴史を重ね、世界約170国の地域で累計「1千万台」が販売されているまさに世界に誇れる「陸の王者」と言われるクルマです。
そんなランクルの新型(ランクル300系)が先日発表されました。
注目度も半端ないですよね!
ではなぜそれほど長く世界中で愛され続け売れ続ける車なのでしょうか?
価格は決して安くなくむしろ高価格帯ではありますが、それはまさに「地球上どこへでも行き、生きて帰ってこれるクルマ」というキャッチフレーズ通り、クルマとしての抜群の信頼性と耐久性があるからではないでしょうか!
日本ではそこまでの地域はないと思いますが、世界の過酷な環境の地域ではクルマが途中で壊れたり動かなくなっりしたら最後、生きて帰ることすら難しいとされていますので、命を守るために、生活を守るためにランクルが必要なのです。
ランクルと家(住まい)の共通点
いきなりクルマの話になってしまいましたが、私はランクルというクルマの使命と家という住まいの使命は非常に似ていると感じています。
なぜかと言えば、やはり家という住まいも住む人の命と生活を守ることが大前提だということに他ならないからです。
ここ20年の間に日本では震度7クラスの巨大地震は5回発生し、震度6クラスの大地震は実に30回以上発生しております。
その度に家や建物の倒壊による甚大な被害が報道されておりますが、地震で命を落とす一番の多い原因は建物の倒壊による「圧死」と言われております。
1995年に発生した「阪神淡路大震災」では、6400人以上の死者、8800人の重傷者が報告されておりますが、地震発生から15分以内にその9割の方が犠牲になったと言われています。
人の命を守るため、生活を守るために存在しているはずの家が地震によって凶器と変わってしまうなんてやりきれないと思いませんか?
そしてまたこれからの20年以内に確実に発生すると予想されている「南海トラフ地震」と「首都圏直下型地震」は日本の国土の広い範囲を襲う巨大地震です。
そんな日本だからこそ「どこへ行っても生きて帰ってくるクルマ」ランクルのように、巨大地震がきても命を守れる家(住まい)を計画することは絶対条件でなければなりません。
ランクルのように強い家(住まい)を作る方法とは
どのようにして、巨大地震が来ても命を守れる家(住まい)を計画するのか!
実はそれほど難しいことではないことをご存知でしょうか?
それは「許容応力度計算によって導く耐震等級3」を取得した家を建てれば良いのです。
もちろん計算費用や計算時間はかかりますが、これさえ行えばランクルのような強靭な家(住まい)を手に入れることが可能です。
ところが日本で建てられている木造住宅のほとんどにおいて「許容応力度計算による耐震等級3」の建物は建てられておりません。
なぜならある一定の規模までの平屋、或いは2階建ての建物は法律で許容応力度計算が義務化されているわけではないので、多くの工務店や建設会社では許容応力度計算は「余計な費用がかかるもの、時間がかかるもの、だから必要ないもの」と認識しているからです。
住宅展示場を彩っている大手ハウスメーカーでさえ許容応力度計算は行っておりません。
家を建てる行為は大抵の人にとって一生に一度の体験だと思います。
クルマは人生で数回乗り換えることができますが、家を建てる行為は車のようにはいきませんよね。
だからこれから家を建てようとする方はほとんど家づくりの知識が乏しく、また家を建ててしまった人は途端に家づくりの関心が薄れます。
そのため工務店まかせ、ハウスメーカーまかせの体質がずっと改善されないまま家づくりの歴史が積み上がってきてしまい、ランクルのような強靭な家(住まい)が増えていかないのだと考えております。
家を建てる方の多くは、家の間取りやコストを最重要視されます。
「耐震性能は国の基準に沿っていればきっと安心!」
「どんなに地震に強い家を建てても、巨大地震が来ればどの家もみんな壊れるさ!」
「大手ハウスメーカーならきっと安心!」
このような考えの方があまりにも多く、求める耐震性能に対する絶対条件がゆるくなりがちなのです。
安価で広くて素敵な家を建てられたならきっと「得をした!」「賢い選択をした!」と思うかもしれませんが、本当にそうなのか!きっと今から20年以内に巨大地震がきた時にその答えがわかることでしょう。
それではまた。
2021.07.20
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