こんにちは!代表の鈴木です。
本日は少しハウスメーカーのことについて書いてみたいと思います。
私は学卒で22歳から35歳までの12年間、東証一部上場のハウスメーカーに勤めていました。
現場監督4年、営業8年の経験からハウスメーカーの実態を少しご紹介したいと思います。
最初に言っておきたいのですが、ハウスメーカーでの12年間はホントに素晴らしい経験をさせていただきました。幸いすばらしい上司にも恵まれ、いい仲間にも出会い、そしていいお客様に出会えました。その会社を辞めてもう15年ほど経ちますが、ハウスメーカーで過ごした12年間は全く後悔してませんし、その頃出会った仲間とは今でもよく会っています。今の私があるのもその会社での経験や仲間との出会いがあったからと言っても過言ではありません。
そんな私が今、改めて当時を振り返って、そして今でも付き合っている仲間達からの情報ももとにして、現在のハウスメーカーの本当の姿をご紹介したいと思います。
ハウスメーカーって?
皆さんはハウスメーカーにどのようなイメージをお持ちですか!?
- 大手で安心
- 保証がしっかりしている
- 最先端の技術
- 優秀な設計士がいる
- 施工がしっかりしているetc
概ねこのようなイメージをお持ちの方が多いと思います。
あながち間違ってはいませんが正解でもありません。
私が実際に見てきたこと、そしてハウスメーカーの外に出て初めて感じたことを元に、それぞれのイメージを解説していきたいと思います。
大手だから安心!?
大手だから潰れないとは言えない世の中ですが、中小企業と比べて潰れにくいのは事実かと思います。
ブランド志向の方には、中小の工務店や建設会社は太刀打ちできません。
大手だから安心というイメージはあながち間違っていないと思います。
保証がしっかりしている!?
私の感覚だと、保証に関しては大手も中小も基本あまり変わりません。
大手の方が保証が充実しているように感じるのは、保証に関しての見せ方が上手いということです。
ハウスメーカーは今ではどこも20年保証だの30年保証だの60年保証だの、今までの社歴より長い保証をアピールしておりますが、これら長期保証制度はハウスメーカーの実に巧みな戦略が仕組まれています。
詳しくは過去のブログで解説しておりますのでそちらをご覧ください。
【建物の保証について知ろう!】長期保証制度は本当に有益なのか?
ハウスメーカーの家は最先端の技術か!?
ここからが今日のお話のメインとなってきます。
ハウスメーカーの建物を数年ごとにフルモデルチェンジが実施される車のようにイメージしてみてください。
わかりやすく言うと、莫大なコストをかけて開発した自社オリジナルの技術は、しばらくの間(5年から10年)使い続けられます。
世の中に出た時点では最先端ですが、その後だいたい陳腐化していきます。
毎年のようにアップデートしていくようなイメージがありますが、建物はそのほとんどが現場で人の手によって作られていきますので、現場が混乱を招くようなアップデートを頻繁に行うことはしません。
ここが工場生産品との違いです。
それに比べ、中小の工務店や建設会社は毎年のようにアップデートができます。
自社開発のオリジナルの技術や製品を持たない代わりに、世の中の技術や製品にアンテナを張り、より優れたものがあればすぐに自社の仕様に取り込めるというメリットがあります。
この件については大手だからゆえの弊害があります。
例えば、ある建材メーカーが新商品を出したとします。
それがとても優れた建材や商品だったとします。中小の工務店や建設会社ならすぐに採用できますが、ハウスメーカーは採用に至るまでかなりの歳月が必要となります。
なぜなら、本当にその建材や商品が間違いないのか⁉ その建材や商品のメーカーが何かあったときに責任がとれる会社なのか⁉︎ 全国的にいつでも安定供給できるのか⁉︎
その検証に多くの時間を費やされる為です。
こう聞くと「固い!じっくり検証してるからいいのではないか!」という意見もあるかと思いますが、このようなスピード感だと時代から大きく遅れを取ります。
やっと採用する頃には、次の優れた商品が世に出てきます。
優秀な設計士がいる!?
さてこの問題ですが、そもそも優秀な設計士とはどんな設計士だと思いますか?
一級建築士の資格を持っていて、間取りやプランニングが上手で、デザインスキルも高く、センスがある人・・・・ですか?笑
実はそのように皆さんが考える優秀な設計士は今やハウスメーカーにはほとんどいません。いたとしても、皆さんがお目にかかることはまずないかと思います。
「じゃあ、誰が設計するの?」
その答えは・・・あなたが住宅展示場で接客を受けた営業マンです。
今多くのハウスメーカーでは、営業マンがプランニングを担当しています。仮にあなたが建築予算が5000万以上でVIPなお客様であれば、きっとあなたの前に設計士が出てくると思います。
よく、「ハウスメーカーで話を進めていたけど、なかなかいい間取りが出てこなくて・・・」と言って、弊社にご来店いただくお客様がおります。
それもそのはずです。
ハウスメーカーは滅多に設計士はプランニングしませんから。
ハウスメーカーはそんな世界です。
施工がしっかりしている!?
ハウスメーカーは施工マニュアルがしっかりしています。
並レベルの施工者であれば、一定以上の施工レベルが保てるようなシステムになっています。ここはハウスメーカーの凄いところです。
ハウスメーカーは全国展開している会社が多いので、全国どこでも統一品質が保たれなければなりません。
「この現場はいい大工さんだったから出来栄えがいい!」
「この現場の大工さんはイマイチだった!」
このようなことが一番困るのです。
だからハウスメーカーは優秀な大工さんよりも、真面目でマニュアル通り仕事を行う大工さんを好みます。
そういう意味では施工はしっかりしていると言えるでしょう。
しかし、ハウスメーカーには優秀な設計士がいないように、優秀な大工さんもいません。こう断言してしまうのは少々乱暴かもしれないので、「滅多にいません!」と言い換えておきます。
それには明確な理由があります。
まず、ハウスメーカーが職人に払う単価はおそろしく安いです。その代わり数をこなすことでそれぞれの職人さんの賃金を担保しています。
結果、工期も短く、とにかく早く仕事を終わらすことが求められます。
ここまで言えばわかると思いますが、そういう環境の中で優秀な大工さんはハウスメーカーの仕事をやり続けるでしょうか?
昨今の職人不足と言われるこの時代、腕に自信があればどこでも技術に見合った単価の仕事を見つけることは難しいことではありません。
まとめ
あなたが思っていたハウスメーカーの印象とくらべていかがでしたでしょうか?
私はハウスメーカーを退社し、外の工務店の世界に飛び込んだ当時、大きなショックを覚えました。
私がハウスメーカーに在籍していた頃は、ハウスメーカーが家づくりの最先端を走っていて、街の小さな工務店なんて雑魚だと(笑)本気で思ってましたが、外には全く逆の世界が待っていました。
もちろん街の小さな工務店が全ていい訳ではありません。どちらかと言えばいい工務店と巡り合うことはなかなか難しいかもしれません。でもあなたの身近にもきっとあるはずです。
ハウスメーカーとの家づくりが向いているのか?
工務店との家づくりが向いているのか?
今一度、よく考えてみてほしいと思います。
参考記事
【家づくり-ハウスメーカーと設計事務所と工務店 どこがいいの?】
それではまた。
2019.07.05
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