代表の鈴木です。
今日は無垢の床材について少し思うことを書いていきたいと思います。
皆さん、無垢の床材にどんなイメージを持っていますか!?
世代によっても違う感想や評価があると思います。
私の世代(もうすぐ50歳?)では、無垢の床材といえば、ハイグレード、或いは高級というイメージがまず浮かびます。
私が20代や30代の頃は、とにかく無垢の床材は価格が高く、お金持ちしか使えない特別なものという印象でした。
それがここ10年くらいで、手頃な価格の無垢の床材が急速に増えて、今は一般の方でも気軽に選べる床材となりました。
無垢の床材の選び方
ところで、無垢の床材といってもそれこそたくさんの種類かありますので、少しまとめてみたいと思います。
まず、針葉樹と広葉樹で分類できます。
針葉樹と広葉樹に分類
「針葉樹」は日本人にも馴染みが深く、代表的なものとして、杉、ヒノキ、マツ、パインなどがあります。
特長としては軽く柔らかい、そして香り高いという性質があります。
「広葉樹」は非常に種類が多く、日本を始め、世界各地で見ることができます。
代表的なものとして、オーク(ナラ)ウォールナット(クルミ)、バーチ(カバザクラ)、チーク、カリンなどがあります。
重くて硬く重厚感があり、キズが付きにくいという性質があります。
ここ10年くらい自然素材ブームにも乗って、市場に急速に広まった無垢の床材ですが、その多くは広葉樹の床材です。
広葉樹の無垢の床材が多く選ばれている理由
広葉樹の無垢の床材が多く選ばれている理由は2つあると考えてます。
- 種類が豊富で価格もリーズナブルなものが多く、様々なインテリアイメージにも合わせやすいこと。
- 硬くキズが付きにくいということ。
自然素材で価格もこなれていて、キズも付きにくいなら願ったり叶ったりですよね!
この傾向は特に都心部では顕著で、私どもの商圏である東京都内や埼玉県南部では、ほぼ99%は広葉樹の無垢の床材が選ばれています。
広葉樹の特長や価格の観点から、勧めやすいというのもあります。
さて、住宅業界に身を置く人は無垢の床材の利点をどのようにアピールをしているでしょうか!?
無垢の床材の利点は針葉樹の無垢の床材にある
- 温かみがある
- 足触りがいい
- 自然素材である
このような利点のトークは、聞いたことや本や雑誌などで見たり読んだりしたことがあると思います。
実はこの特徴は昨今流行っている広葉樹の無垢材の特徴ではなく、針葉樹が持っている際立った特徴なんです。
多くのお客様は、広葉樹と針葉樹の特徴を理解する前に、無垢の床材を色柄や雰囲気で選びます。
そして無垢の床材を選べば、「温かみがある」「足触りがいい」「自然素材である」という特徴も同時に手に入ると思っております。
よくインテリア写真などで、小さな子供が笑顔で無垢の床材で寝転んだり、走り回っている写真を目にすると思いますが、その時に使われている床材に注目したことがありますか?
明るい色柄の針葉樹の「杉材」か「パイン材」がほとんどです。
ぜひそこを理解した上で、無垢材のフロアー選びをしていただければと思います。
次にそれぞれのインテリアイメージの合わせた無垢の床材の選び方をお伝えします。
インテリアイメージと無垢の床材の関係
色による選択
まず色についてですが、明るい色合いが好みならば選択肢は幅広いです。
針葉樹でも広葉樹でもいけます。
針葉樹なら「杉」「ヒノキ」「パイン」
広葉樹なら「オーク」「バーチ」「メイプル」などが代表的な樹種です。
もし、ダーク系の色合いが好みならば、意外と選択肢は狭まります。
針葉樹は選択肢から外れ、広葉樹の「ブラックウォールナット」や「オークの着色系」などが中心となります。
赤茶系が好みならば、広葉樹の「カリン」「ローズウッド」「チーク」などが選択肢となります。
このように、インテリアカラーの色合いによって、選択できる無垢のフロアーは決まってきます。
柄や節による選択
また柄や節の確認も大切です。
無垢の床材は自然素材なので、「ある程度柄のばらつきは許容する」、あるいは「そのばらつきが良いと思っている」方は多いと思います。
しかし、節に関しては好みは分かれます。
節は木の枝があったところの名残ですが、目立つしデザイン的にもうるさく感じることから、あまり好まれてはいません。
節は針葉樹の無垢の床材の方が数も多くよく目立つ傾向にありますので、実際に広い範囲を施工した施工写真など確認しておくことをお勧めします。
無垢の床材のメンテナンス
さて、憧れの無垢の床材ですが、メンテナンス性が気になると思います。
普段、「どのように掃除したらいいのか」という質問もよく受けます。
普段の掃除に関しては、無垢の床材だからと言って特別なことはありません。
普通に掃除機をかけて、何かこぼしたりしたらすぐに拭き取っていただければ大丈夫です。
定期的なワックスがけも不要ですが、無垢の床材ならではのメンテナンス方法があります。
塗装によって変わる無垢の床材のメンテナンス性や清掃性
無垢の床材のメンテナンス性や清掃性については、無垢の床材に施されている塗装によって変わります。
無垢の床材は、大別して「オイル仕上げ」と「ウレタン仕上げ」の2種類があります。
オイル仕上げの無垢の床材の特性
オイル仕上げは、オイルがそのまま素材に染み込み、表面に塗膜は作りませんので、表面は無垢の風合いがそのまま残ります。
価格も安く、無垢本来の質感が残るということで、オイル仕上げを選ばれる方は非常に多いです。
定期的なメンテナンスについても、オイルの重ね塗りは素人でも非常に簡単にできますのでメンテナンス性は良いと言えます。
しかしながら、清掃性に関して言えば、水や油汚れには弱く、床材の表面に塗膜がないため水や油汚れを木が吸ってしまいますので、キッチンやダイニングだと汚れが目立ってくるという欠点があります。
そうならないために、気を使いながらの生活は逆にストレスをためてしまいますよね。
ウレタン塗装仕上げの無垢の床材の特性
一方ウレタン塗装は、色あせや清掃性を考慮した仕上げ方で、薄く硬い塗膜を表面に施すことで、汚れの付着やシミを防ぐことを目的としていますので、オイル仕上げの無垢の床材と比べ、清掃性は高いと言えます。
また、塗膜の耐久性も高いので定期的なメンテナンスも不要です。逆に素人だとメンテナンスができないというのが本当のところですが・・・
オイル仕上げと比べると、一瞬ウレタン塗装の方がいいように思いますが、ウレタン塗装仕上げは床材の表面に艶が出てしまうことや、塗膜を作るために自然素材の風合いが多少工業製品のようにツルツルした質感になってしまうため、実際にあまりウレタン塗装仕上げの無垢の床材を選択される方はおりません。
どちらを選んだらいいのか!? なかなか難しいですよね!
見直される突き板の床材
「自然素材の風合いも欲しい!でも清掃性も高くないとやだ!」という方や、特にまだ小さなお子様がいらっしゃるご家庭にお勧めしたいのは、床材の表面に本物の無垢の樹種を貼り付けた「突き板フロアー」と呼ばれる床材をお勧めしたいと思います。
昔の「突き板フロアー」は表面の無垢材が1ミリ以下の非常に薄くスライスされたものが貼られていたので、本物の無垢の床材と比べたら、その質感には大きな差があり、とても無垢の床材の代役にはなりませんでした。
ところがここ数年、製品化されている突き板フロアーの中には、表面の無垢材が厚み2~4ミリと非常に厚い製品も出てきました。
さすがに価格も無垢の床材とあまり変わらないか少し安い程度ですが、質感はかなり高く寸法安定性にも優れ、清掃性も良いので、個人的にはかなりお勧めです。
特に広葉樹の無垢の床材の代役としては、非常に現実的なのではないかと思います。
まとめ
無垢の床材が手軽に選ばれ使用頻度が高くなってきましたが、完成して数年後にご入居者さまのお宅にお邪魔すると、やはりみなさん無垢の床材でのメンテナンスに苦労されているなと感じてます。
流行やイメージだけで選ぶのではなく、総合的な視点で選ぶ目を持っていただければ、無垢の床材選びで失敗することはなくなると思います。
それではまた。
2019.11.18
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