代表の鈴木です。
注文住宅に限らず、リフォームにおいてもシステムキッチンを選ぶ際に食洗機の採用を検討される方は非常に多いです。
ビルトイン型でスッキリと収まり、家事の低減につながるとなれば、特に奥様にとっては絶対に欲しい設備の一つとなりますよね!
実は私個人的には食洗機不用論者なのですが、私のような変わり者の話はさておき(笑
この業界を約30年見てきた私なりに、食洗機についての解説をしていきたいと思います。
2022.12.01改稿
安易に食洗機は選ばない方がいい!?
まず、システムキッチンにビルトインできる食洗機の種類は大別して2種類あります。
それは幅が【45㎝】タイプのものと【60㎝】タイプのものです。
さらに、それぞれ【浅型】と【深型】があるので4タイプが存在していることになります。
世の中の主流は幅45㎝の浅型食洗機
最近では、建売の安価な建物でもシステムキッチンには幅45㎝の食洗機が内蔵されていますが、国内の各食洗機メーカーにおいてもラインナップの主流は幅45㎝の浅型食洗機となっています。
なぜ幅45㎝の食洗機が主流なのかと言えば、価格が安価なこと(実勢価格で10万円前後)と、キッチンカウンター下のキャビネットの配置的にちょうどいい寸法だからと言えます。
さて、以前はビルトイン型の食洗機は憧れ的な存在でしたが、今やあって当たり前と言えるほどに、新築やリフォームではスペックされています。
それでは食洗機が本当に便利なものなのかを私が今まで見てきた経験から分析していきたいと思います。
食洗機のメリットとデメリット
よく言われる食洗機のメリットとしては
- 洗い物の時間短縮
- 節水になる
- 汚れがよく落ちる
- 手が荒れない
の、4つかと思います。
ではデメリットはあるのでしょうか⁉︎
私がビルトイン型食洗機に持っているイメージをお伝えしたいと思います。
思ったほど食器が入らない。
特に一番普及している幅45㎝タイプの浅型食洗機についてですが、思ったほど食器が入らないという点です。
各家庭には、様々な形状や大きさの食器があると思います。
食洗機メーカーの写真に写っているような、薄くて同じ形状のお皿だけを使用しているご家庭は少ないと思いますので、実際に食洗機に収納してみると思ったはど食器が入らないというストレスを感じる方が多いようです。
結局、毎食後ごとに食洗機を回すことになりますが、そもそも家事の低減を期待しているのに、各食事のたびに食洗機に食器をセットするなんて面倒だと思いませんか!?
ホントは食器を貯めておいて、夕食後にまとめて1度で済ませたいはずです。
幅45㎝の浅型食洗機はそれだけの容量しかありません。
意外と洗い残しがある。
食洗機は高温のお湯で洗浄するので、汚れが落ちやすいと言われていますが、それはセットした食器の隅々まで洗浄液(温水)が届くことが条件となります。
食洗機を使ったことがある方ならばわかると思いますが、出来るだけたくさんの食器をセットしたくなると思います。
でもそうするとなかなかきれいに仕上がりません。
そこで軽く予洗いをするのですが、だったらそのまま手で洗ってしまった方が早いような気がするのは私だけでしょうか!?
予洗いをしてから食洗機にセットするならば、言われているほど節水になるとも思えません。
稼働時間が長く作動音がうるさい。
食洗機は洗い始めから乾燥まで約90分ほど稼働してます。
食洗機の稼働音は決して静かとは言えません。
今はLDKが一体の空間構成がほとんどなので、食洗機の稼働音が気になる方も多いかと思います。
キッチンの床が汚れる。
ビルトイン型の食洗機はシンクのすぐ横に設置されていますので、シンクから斜め移動で食洗機に食器をセットすることになりますが、キッチンカウンターや、床に滴や食べかすなどが意外と落ちます。
床の掃除も必要ですし、キッチンの床が木のフローリングだと余計に神経を使うことになります。
電気代はかかる。
当たり前ですが、食洗機は電化製品ですから電気代はかかります。
当然いつかは壊れる。
機械ですから必ずメンテや交換が必要になりますが、ビルトイン型の食洗機の場合は、お施主様が自分で交換することはできませんので、必ず専門業者に依頼することになります。
商品代と工事代、既存の食洗機の処分代もかかりますので、そこそこの出費は覚悟しなければなりません。
以上より、私が食洗機不要論者なのは、メリットよりもデメリットの方が際立っていると考えているからです。
海外製の食洗機は採用の価値あり!?
最近海外製の食洗機を希望される方が本当に増えてきました。
【Mieleミーレ社】を筆頭に、【AEG社】、【BOSCHボッシュ社】が有名で、いずれもドイツの家電総合メーカーです。
なぜ人気なのかと言えば、幅60㎝の深型タイプでフロントオープンタイプを取り揃えているからと言えます。
なぜか国産メーカーではこの組み合わせが存在しません。
【Rinnaiリンナイ社】 フロントオープン - 45㎝浅型食洗機 スライドオープン - 60㎝浅型食洗機 【Panasonicパナソニック社】 フロントオープン - 設定なし スライドオープン - 60㎝浅型食洗機
幅60㎝で深型タイプの食洗機であれば、私が考える食洗機のデメリットも少し軽減されますが、それでも言いたいことが一つございます。
「フロントオープンってそんなに良いのか?」
まず、海外製の食洗機の扉はどれも「操作が硬い」うえ、扉の開閉に対して腰をかがめる必要があります。
さらに深型の食洗機は食洗機内部のカゴが3段になっており、一番下のカゴに食器をセットするために、やはりかがまなければなりません。食器を取り出す時も同様です。
また、フロントオープンタイプの食洗機は、スライドオープンタイプの食洗機と比べセットする食器の移動量が大きくなるため、周辺の床を汚すことも考えられます。
価格が高い!
海外製の食洗機は当然国産と比べ価格が高いのは当然のこと、国産メーカーのシステムキッチンにビルトインさせる場合、グレードが限られるというデメリットがあります。
上位グレードのみ海外製食洗機対応というシステムキッチンメーカーが多いためシステムキッチンそのものの価格も上がります。
まとめ
結局食洗機を期待どおり満足に使いたいのであれば、幅45㎝タイプの浅型食洗機の選択はないかと思います。
最低でも幅60㎝は必要かと。
できれば収納力を加味して深型が理想なのですが、高額な海外製の食洗機しか選択肢がないとなると・・・
「だったら、いらないのでは!?」という選択もありかと思うのです。
それではまた。
2020.03.15
2022.12.01改稿
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