代表の鈴木です。
今日は外壁の汚れを防ぐために知っておきたいことについて解説していきたいと思います。
外壁の汚れの種類は、下記の3つに集約されると思います。
- 砂埃や排気ガスなどの空気中の浮遊物が付着するもの
- 雨ダレによるもの
- 紫外線劣化によるもの
室内と違って、外壁は普段掃除する方法がありません。
屋外であるため、「風雨にさらされる環境は避けられないし築年数に比例して汚れてくるのは仕方ない」とはいえ、やはりいつまでも外壁は綺麗であって欲しいですよね！
外壁をいつまでもきれいに保つために必要なこと
建物の外壁をきれいに保つために必要なことはそれほど多くあるわけではありません。
私からの提案は２つです。
屋根の軒を計画すること
屋根の軒の出についての重要性は私のブログで何回も話してきておりますが、屋根の軒の出を計画することは外壁を綺麗に保つことに関してもとてもいい影響を与えます。
軒があることで、外壁に雨や紫外線が当たる頻度を確実に減らすことができます。
これだけで外壁の汚れ具合は全く違ってきます。
郊外や地方で計画される建物は比較的軒がある家として建物がデザインされているケースが多いと思いますが、都市部で計画される建物は全く軒のない箱型（軒ゼロ）デザインか多く計画されている傾向があります。
理由は2つあります。
物理的な土地の大きさと厳しい法規制の問題
まずそもそも土地の広さに余裕がなく、加えて都市部特有の厳しい法規制（特に北側斜線や道路斜線制限、日影規制）により、屋根の軒が計画し辛いという理由が挙げられます。
この点については設計者も相当苦労している状況ですが、土地の大きさという物理的な問題そして法律が相手であればどうすることもできません。
外観デザインの好み
もう一つは、そもそも建物の外観デザインの好みが箱型（軒ゼロ）のデザインであり、設計者の好み或いは施主様の好みとして計画されていくケースが多いという理由です。
これは先に述べた土地の大きさや法規制も関わっていると言えます。
軒ゼロの建物で外壁の汚れを防ぐには！
軒がない建物で外壁の汚れを防ぐ方法はあるのでしょうか！？
無いとは言えませんが、一つアドバイスできることがあります。
それは外壁の色です。
軒の出のない建物で絶対に避けていただきたい色は「真っ白」です。
真っ白でなくても限りなく白に近い色を選択すると、たった２、３年でそれこそ悲惨な状況を迎えるリスクはとても高いと言えます。
とは言っても、箱型デザインは真っ白がとても似合うために設計者もお施主様も選びがちなんですよね！
そこでご提案なのですが、軒が計画できない建物であれば、外壁の色は少し色が入ったものを選ぶべきだと思います。
傾向としては茶系かグレー系の選択に寄ってくると思いますか少し色が入るだけで、外壁の汚れ具合（正しくは目立たなさ具合）がまるで違います。
あえて強調してお伝えしますが、ホントに全く違います。
サイディングの汚れ防止機能は万全なのか！？
最近サイディングメーカーの商品では、高耐候性を謳う商品が増えてきました。
そのメカニズムは雨で一緒に汚れが洗い流されるというもの（ニチハ：マイクロガード）とか、太陽光（紫外線）により汚れを分解する（KMEW：光セラ）というものがよく知られている商品です。
でも考えてみれば、建物4面ある外壁に一様に雨が当たったり、太陽光が当たったりするでしょうか！？
郊外や地方であればまだ可能性はあるのかもしれませんが、都市部で道路以外3方向隣家に囲まれている状況で、雨や太陽光が建物の外観４面に一様に当たるとは思えないというのが正直な感想です。
であれば、その機能も存分に発揮されないのではないかと。。。
まとめ
外壁の素材や種類によっても、汚れやすさや汚れの目立ちやすさは異なりますが、屋根の軒の出に敵う対策はないと断言できます。
もしさまざまな条件において軒の出が計画できないのであれば、せめて外壁の色には注意して下さい。
真っ白い箱の家に対する憧れは夢だけにとどめておいた方が無難です！笑
それではまた。
2020.12.13
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